『成瀬は信じた道をいく』 読書記録#2

2024年本屋大賞を受賞した
『成瀬は天下を取りにいく』の続編
『成瀬は信じた道をいく』を読みました。

あらすじや感想をお伝えします!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

成瀬は信じた道をいく [ 宮島 未奈 ]
価格:1,760円(税込、送料無料) (2025/2/18時点)


成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

新潮社HP

『成瀬は天下を取りにいく』の続編として
成瀬が大学受験を受けるところから
大学生になってからの活躍までを
描いています。

前作も気になる方はこちら↓

『成瀬は天下をとりにいく』読書記録#1
『成瀬は天下をとりにいく』のあらすじや感想を、筆者独自の視点でまとめてみました。
: 『成瀬は信じた道をいく』 読書記録#2

成瀬を引き立てる登場人物たち

“成瀬シリーズ”は成瀬が主人公なのは
間違いありませんが、話ごとに
成瀬に関わる登場人物の視点で
物語が進みます

成瀬本人の視点ではなく
親友の島崎みゆきの視点
高校の同級生の視点と
第三者から見た成瀬を描く。
これによって、その視点や感じ方が
読者の視点と重なって成瀬の異質さや
キャラクターが際立っているなあと
思っていました。

『成瀬は信じた道をいく』では
前作以上にそれを強く感じました。

成瀬のバイト先のスーパーを利用している主婦、成瀬と一緒に観光大使に選ばれた女の子

2人とも、生きづらさや悩みを抱えていて
成瀬と関わるなかで
少しずつ前向きになっていきます。

特に、観光大使の女の子は
自分の祖母、母親も観光大使に選ばれていて
小さい頃から観光大使になるように
教育されてきました。
そんな環境を受け入れてきましたが
成瀬とであったことで
祖母や母の言いなりになっていることに
疑問をもち始めます。

この女の子の視点は、読者自身の生きづらさ、成瀬への羨ましさなどを
重ねている
ような気がして
個人的にはとても好きでした。

成瀬が教えてくれること

前作から成瀬は色々なことに
挑戦してきました。
西武大津店の中継に映り込んだり
M-1に出場したり…
今作でも、受験や観光大使グランプリなど様々な挑戦をしています。

これらは決して誰かに言われたからではなく
成瀬自身がやってみたいと思ったこと
です。

そして成瀬は、結果がでなくても
落ち込んだり、誰かを責めたりすることは

ありません。

この、結果はどうあれ
とりあえずやってみるという姿勢
とても大切なことだと思いました。

何か行動することで
人とのつながりが生まれて
また違う挑戦へのきっかけが
生まれていきます。

これをしたら、どう思われるだろう
失敗したらどうしようと
考える前に、まずはできることをやってみる。
成瀬からはそんな勇気をもらっています。

それに、
成瀬は自分だけではできないことは協力を求め
アドバイスを素直に受け止めます

自分のアルバイトしているスーパーの
万引き犯を捕まえたいと
お客さんとしてきていた主婦に協力を求め
はじめたばかりのインスタグラムの使い方が
わからなければ
同じ観光大使になった女の子に
使い方を教えてもらう

そういう、
人に協力を求めながら行動する成瀬には
味方がどんどん増えていっています

成瀬のことをみていて
行動することの大切さと
人とのかかわりの大切さを感じました。

どんどん広がる成瀬の世界が
これからも楽しみです。

ぜひ、成瀬の魅力を読んで感じてみてくだいね。

コメント